編集部が「従業員エンゲージメント、人事、組織、マネージメント」の観点から気になった記事をpickする「HR News Recap」。2021/10/19〜2021/11/17までの記事をご紹介します。
働き方
「週休3日」は概ね好評…「後で勤務時間を増やすことになったが、従業員は満足している」
週休3日制を導入したアイスランドのとある企業は、会社週の労働時間を5時間減らし35時間へと短縮しましたが、その後週37時間まで戻さなければならなくなったと報告しました。一方で、週の労働時間が短くなったことで、家族と過ごす時間が増えたり、病院に行く時間ができたりしたことで、従業員の満足度があがり、従業員の生活は楽になったといいます。週休3日制の導入や労働時間の短縮を求める声は増えており、アイスランドだけではなくスペインやスコットランドでも週休3日制への実験資金を提供することを発表しています。
評価・給与制度
【ナイルの組織】人事評価制度と給与の考え方を完全公開
ナイル社は、よりオープンな採用をしていくために人事評価や給与の考え方を公開することにしたそう。具体的に現場でどう運用されているのかが紹介されています。給与が相対的に公平であるべきという考え方のなかで、給与とミッションの整合性、社内での相対的な公平さとのバランスが重要であると書かれていたのはとても合理的だと感じました。活躍している人が評価される適切な仕組みに、どの企業も学ぶところがおおいのではないでしょうか。
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Autifyが給与テーブルを全体的に引き上げた理由
2021年10月にシリーズAでの資金調達を行ったAutify社。同社はグレードとレベルに応じた報酬レンジによって給与を決定していますが、給与テーブルの底上げを行い、すべてのグレードで給与額をアップしたとのこと。採用の場面で求めるものが非常に高かった一方で、グローバルマインドを持ち語学にも堪能であり、シニアレベルのスキルセットを持つ候補者は市場価値も高く、なかなか採用がうまく行かなかったことがきっかけだったそうです。採用オファー金額と社内のメンバーの給与水準を変更したことで、もちろん会社としてはコストがかかります。同社は必要な投資と判断し変更に踏み切ったそうです。
福利厚生
Salesforce日本法人、性転換手術の費用を補助する制度導入 LGBTQ+向け福利厚生で 上限400万円
セールスフォース・ドットコムは、LGBTQ+(性的少数者)向けの福利厚生制度を導入したと発表しました。この中には、性転換手術やホルモン療法などの費用補助(上限400万円)、性転換手術後に4週間の有給休暇付与、性別の変更に伴う法的手続きの費用補助(上限10万円)が含まれます。このパートナーシップ制度は、日本法人独自の施策とのこと。
組織づくり
職場での「レコグニション」が重要な理由
従業員が自分は職場で評価されていると感じれば、エンゲージメントや生産性、さらには会社への忠誠心も向上するといいます。従業員の存在価値を認め、誰の目にも留まらない人ではないと示すことを「レコグニション」と予備、特にリモートワーク下では自分の仕事ぶりが見られているか分かりづらいため、レコグニションはさらに重要になります。レコグニションを成功させるには、各人にあわせた方法を用いて、実績だけでなく努力も評価することが大事など、具体的なTipsが紹介されています。
リモートワーク
ウェブ会議とチャットを1つにしたコラボレーションツール「Parque(パルケ)」の提供が開始
ウェブ会議とチャットを1つにしたコラボレーションツール「Parque(パルケ)」の無料提供が開始されました。Parqueは、アカウントを持っていなくてもURLを共有することで、ウェブ会議に誰でも参加できるウェブ会議ツール。ユニークな機能として、「AI を活用した文字起こしや自動翻訳」「同時編集可能なメモ」「複数画面共有(最大3人同時)」が挙げられます。ぜひ利用してみては?
グーグルのピチャイCEO、週3日の出社を推奨…「バランスが取れている」
Google社は週2日、好きな場所で勤務できるという「フレキシブル・ワーク・ウィーク」を2020年12月に発表しています。この「フレキシブル・ワーク・ウィーク」は自宅での時間と同僚との時間のバランスが取れていると述べました。このモデルがGoogle社にとって恒久的な変更になるか?という質問に対し、ピチャイ氏はそう思うと述べ、「ニューヨークやサンフランシスコのような場所でも、当社の社員は長い通勤時間に悩まされていた。だから3:2モデルの方がバランスが取れていると考えている」と補足しました。
トレンド
マイクロソフト、「Mesh for Teams」で企業向けメタバースを推進へ
トレンドワードになりつつある「メタバース」。メタバースに取り組む企業として地位を確立しようとしているのはMeta社だけではなく、Mircrosoft社も。同社は「Microsoft Ignite」カンファレンスにて、「Mesh」をコラボレーションプラットフォーム「Teams」に取り入れる計画などの詳細を発表し、メタバースをアピールしました。同社はMesh for Teamsについて、異なる場所にいる人々が協働可能なMR機能を、オンライン会議への参加や、チャット、共有ドキュメントでのコラボレーションなどが可能なTeamsの生産性ツールと組み合わせたものだと説明しています。Mesh for Teamsのプレビューは2022年前半に順次提供されるそうで、その際にはユーザーがパーソナライズされたアバターを作成し、Teamsの会議に参加するためのさまざまなオプションが提供される見込みです。
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「勤務時間外のメール送信」が違法化へ
ポルトガルでは、「勤務時間外に従業員にメールやテキストメッセージを送ること」を違法化する法律が2021年11月5日(金)に承認されました。就業時間後に上司が部下などにメールを送ると、罰則が課される可能性が。また、この労働法規則により、自宅勤務の結果として増加したガスや電気料金、通信費について企業に支払いが求められます。さらに、自宅勤務する従業員の監視は禁じられるほか、従業員の孤立を防ぐために2か月に1度は従業員が上司と面会することが保証されるようになります。なかなかエキセントリックな労働法規制ですね。