編集部が「従業員エンゲージメント、人事、組織、マネージメント」などの観点から気になった記事をpickする「HR News Recap」。2021/12/27〜2022/1/26までの記事をご紹介します。
組織づくり
「昭和型組織」だと、もう危機は乗り越えられない理由
第36代航空幕僚長 井筒俊司氏のインタビュー記事。トップの役割は、決心して命令することだけではなく、手前のコミュニケーションとコーディネーションが重要だといいます。話は企業の危機管理におよび、危機的状況において必要なのはピラミッド型ではないフラットな意思疎通であり、上司が普段から傾聴する姿勢を持つことの大切さをといています。
米大学で意外な研究結果「スタートアップが失敗する原因は、組織にヒエラルキーがないことだ」
組織のヒエラルキーはあらゆる理由からネガティブに語られがちですが、各従業員が自律的に行動するフラットな組織を追求するのは、自由な発想が重要なスタートアップにおいて危険だという研究結果が発表されました。20-30人を超えると優れた管理職が介入して会社の秩序を保ち、混乱を引き起こさないようにするのが重要になるとのこと。
セラノス創業者の有罪評決に学ぶ、職場での心理的安全性の大切さ
米医療ベンチャー、セラノスの創業者であるエリザベス・ホームズは同社の開発した血液検査機器をめぐり、詐欺を行ったとして、有罪評決を言い渡されました。ホームズは、セラノスの業務に関わるあらゆる細部を監視し、承認なしでは何事も進めなかったとされています。このようなかなり権威的なスタイルは、心理的安全性に有害な影響をもたらすと示されました。セラノス社では、多くの主要な従業員が職場で働き続けることに恐怖をおぼえ退職しています。心理的安全性を客観的に評価するために、『恐れのない組織――「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす』の著者でもあるエイミー・エドモンドソンが、同教授のウェブサイト「fearlessorganization.com」で公開されています。
リモートワーク
在宅勤務はもう限界……テレワークつらい勢の悲痛な叫び リモート9割のサイボウズで、社員が「つらみ」を感じるポイント
リモートワークは好きだけど、なんだか限界を感じる。サイボウズ社では、「テレワークつらたんアンケート」にて78.3%がテレワークを辛いと思ったと回答したそうです。リモートワークになってからというもの、もともと多かったオンラインの書き込みが5倍になったとか。テキストコミュニケーションで悩んだことがある人は6割にのぼり、連絡が返ってこないと怒っていると不安になる。対面ではいい人だけど、テキストになると口調がきつくなる…。ベテラン社員からは「飲み会」が封じられたことにより、人間関係を深める手段がなくなってしまったとか。誰もが心あたりのある内容なのではないでしょうか。
社員がテレワーク継続を望むのに「それを拒む経営陣たち」の本音とは
読売新聞が2021年10月下旬から11月上旬に実施した調査によると、回答した125社中、70社がテレワークについて「現状維持」、35社が「縮小する」と答えたそうです。役職が上がるほどテレワークを敬遠する傾向にあるようで、記事内のインタビューでは一般社員は、会社の人間関係が嫌でテレワークを支持する一方、経営者は家庭の人間関係が嫌でオフィス勤務を支持する結果となったとか。
福利厚生
ヤフー社員は全国どこでも居住OKに 飛行機出勤も LINEやメルカリに対抗
ヤフー社は、これまで午前11時までに出社できる場所の居住に限っていましたが、4月1日より全国どこでも居住できるようになるという人事制度を発表しました。出勤は電車やバス、新幹線のほかに特急や飛行機、高速バスの出社も可能に。日本国内でも、リモートワーク下の居住地のあり方が変わりつつありますね。
トレンド
アメリカで加速する「大量退職」トレンド、アフターコロナの労働市場でなにが起きているのか?
HR News Recapでもお伝えしている、Great Resignation、直訳「大退職」。アメリカでは大規模退職がトレンドになっています。退職率が高いのは30歳から45歳のミドルキャリア人材であり、2020年から2021年にかけて退職率が急増したのはこの世代で、平均して20%以上も上昇。要因としては、ミドルキャリア人材へのニーズが高まり、仕事量が集中したり、コロナ禍での採用凍結による人員不足をカバーしたりといったさまざまな負荷がかかりつづけた結果、ブレイクポイントに達したと考えられています。記事の後半には大量退職を防ぐアプローチも。
パナソニック、週休3日制導入へ
パナソニック社は、希望する社員が週休3日で働ける「選択性週休3日制」の導入を検討していることを明らかにしました。本制度は政府が企業に導入を呼びかけており、大手製造業では珍しい取り組みとなります。パナソニック社は半世紀前以上に、国内で他社に先駆けて週休2日制を取り入れた経緯があります。業界を牽引する制度の導入となるでしょうか。