2021年9月末日をもって緊急事態宣言が解除されました。リモートワークを取り入れる会社も多く存在しましたが、これからの動きについて気になっている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、編集部がピックアップした企業の働き方とその理由についてリサーチしました。(2021年10月15日現在)
メルカリ – フルリモート可
2021年9月1日に、「YOUR CHOICE」と呼ばれる、リモート/出社の有無や働く場所などについてを社員の選択に委ねるとするワークスタイルを発表しました。個人と組織のパフォーマンスが最も高まるワークスタイルを個人が選択することができるというもので、日本国内であれば住む場所や働く場所は自由、通勤交通費は月15万円を上限で実費支給されるとのことです。
https://about.mercari.com/press/news/articles/20210901_yourchoice/
リクルート – フルリモート可
2021年3月より、グループ会社の統合を機に、一部の職種を除き、理由・回数を問わずリモートワークを全社に導入しました。さらに年間休日を145日にすると発表し、週平均で約3日の休日が取得できることも併せて発表。リクルート社が大切にしてきた価値観「個の尊重」に基づき、一人ひとりが働き方を自律的に選べることや働く・休むのメリハリをつけることを目的としているそう。
https://www.recruit.co.jp/newsroom/2021/0318_19014.html
DeNA – フルリモート可(チーム方針による)、出社も推奨
2021年8月10日に、平均出社率を30%と想定し本社をシェアオフィスへと移転したDeNA社。業務内容や組織状況にあわせてリモートワークも可能とされているそうです。基本は部署ごとにチーム・個人単位で出社を事前に設定することがルール化されているほか、部署内のオフラインコミュニケーションとして定期的な出社を推奨しています。
https://dena.com/jp/press/4773
note – フルリモート可
2020年2月下旬からリモートを推奨し、3月下旬から原則在宅という方向に切り替えたnote社。コロナ以前からエンジニアやデザイナーを中心にフルリモートで働いている社員もいたそうで、いろいろと工夫した結果「意外とできるな」と思ったとのこと。同社は2020年6月に、「フレキシブル出社制度」を無期限で導入するとしています。いちはやく恒久的に在宅勤務の体制を整えた企業のひとつです。
https://www.businessinsider.jp/post-215716
サイバーエージェント – ハイブリッド(週2出社)
全従業員に対しリモートワークを推奨していたサイバーエージェント社。緊急事態宣言の解除後、2021年10月11日より「リモデイ」の運用を再開。「リモデイ」とは2020年6月より運用されている、特定の曜日をリモートワークデーとするというもので、オフィス出勤とリモートワークを併用するハイブリッド型の働き方を取り入れています。フルリモート勤務によって、カルチャーでもある「メンバー同士の目に見えない一体感」が損なわれる可能性も危惧されることから、ハイブリッド型の働き方を取り入れているようです。
https://www.cyberagent.co.jp/way/news/detail/id=24752
カミナシ – ハイブリッド(月1出社)
コロナ以前は原則出社、対面コミュニケーションをとることを重視したカルチャーだったカミナシ社。社内で働き方のアンケートを取ったところ、フル出社を希望する方は0名だったものの、リモートワークポリシーとして希望するものはバラバラだったそう。現在はリモートワーク、出社ともに強制せず、月1回のみは出社デーを設け、その日のみは全社員が出社するものとしているそうです。組織問題を突き詰めるとコミュニケーションの問題に帰結することが多いと考えている同社は、オンライン完結にすることのデメリットも感じているとのことで、出社ゼロのフルリモートワークは想定していないとのこと。
https://note.com/yusukekw/n/ncdf7a4df392b
SmartHR – フルリモート可(チーム方針による)、変更可能性あり
コロナ以前、緊急事態宣言中は強制的にリモートワークとしていたSmartHR社。暫定的制度だったものの、2021年7月の「正式運用」後はグループによって制度をわけています。特徴的なのは、ビジネスサイド・コーポレートサイドは2022年3月まではフルリモートワーク可能とするが、2022年4月以降は出社日数指定の可能性があることです。特に職種的に対外対応を求められる場面も多いことを考慮したものです。また、同社はオフラインコミュニケーションを重視しており、これからも変わることがないと明示しています。リモートワーク手当として支給される「リモートワークお願い手当」は、ネーミングがなんともチャーミングですね。
https://shanaiho.smarthr.co.jp/n/nc77ff13bdb46
Amazon – フルリモート可(チーム方針による)
2021年6月には、各規制の解除後は週3日をオフィス勤務とするという方針を明らかにしていましたが、2021年10月、より柔軟な働き方を提供すると発表しました。一律で同じ規則を義務付けるのではなく、オフィス出勤日に関してはチームディレクターの判断に委ねるとのこと。オフィスで勤務するチーム、リモート勤務を継続するチーム、ハイブリッドのチームなどが混在すると考えているそうです。この決定はユーザーにとって何が最適かを重視した結果とのこと。
Airbnb – フルリモート可
2022年9月1日まで、社員にオフィス復帰の義務付けはしないとしています。Airbnbの従業員の働き方により柔軟性をもたせるようにあり方の検討を重ねると述べていますが、人と人とのコラボレーションも不可欠だと述べています。実際に会うことで生まれるクリエイティブなコラボレーションとのバランスをどう取るかについては、1年をかけて決めていきたいとのことでした。
https://atengagement.com/fromglobal/airbnb-after-corona/
Google – ハイブリッド
2022年9月に、2023年に開業するニューヨークのオフィスビルを購入する計画を発表。より柔軟なハイブリッド型の働き方に向けて環境を向上させるためとのことで、さらに複数のオフィスビルの購入を検討しているそう。オフィスの再開は2022年1月の予定ですが、「直接集まることが重要」とする指針は変わらず、オフィスへの投資は続けていくとのことです。
https://www.barrons.com/articles/google-buys-manhattan-office-building-51632232933
Facebook – フルリモート可
2021年6月、コロナウイルスのパンデミック収束後も、リモート勤務の許可を得た社員はオフィス以外で働くことを可能にすると発表しました。CEOであるマーク・ザッカーバーグ氏は、オフィス外で働くことで自身が幸せになり、仕事の生産性も上がったことや家族と過ごす時間が増えたと述べました。Facebook社は2021年10月にオフィスを再開する予定とのことですが、ザッカーバーグ氏は、2022年の半分はオフィス外で勤務するだろうと名言しています。
https://www.bbc.com/news/technology-57425636
【編集後記】
この1年半で私たちはリモートワークという選択肢を手にしました。
それは企業にとっても働く個人にとっても可能性を広げるものであると同時に、新しい課題と複雑性をもたらすものにもなりました。
実際、これまで満足して働いていた会社とリモートワークに対する方針が合わなくなり、転職活動をしている方にもよくお会いします。
リモートを広く許容する企業もあれば、一定の出社を維持する企業もあります。
どちらか正解というわけでもなければ、どちらがいい会社というわけでもないでしょう。
人材の採用・生産性・個の尊重・企業文化などの複雑な変数の中での模索がこれからも続くのではないかと予想しています。
そんな時代だからこそ、HRの仕事の難易度が上がっていくと同時にエキサイティングなものになっているなぁと実感しています。
(トラックレコード代表 芹川)
※こんな企業もピックアップしてほしい!などありましたら、@moeyanまでご連絡ください!
Reference
「リモートワークは絶対正義か 非リモート企業への「ブラック」批判が的外れなワケ」、IT media Inc.、最終アクセス:2021/10/13
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2102/24/news044_3.html