「チームの心理的安全性向上とSlackのスタンプ数は比例する」 Schooから学んだ褒め方のトリセツ

「仲間をスタンプでホメる」Slackアプリ、「ホメルくん」(β版)をリリースしてから3ヶ月が経ちました。おかげさまで、50を超える企業、チームにホメルくんをお使いいただいています。実際に導入いただいた企業にホメルくん活用方法や社内のエンゲージメント向上施策をインタビューします。

第1弾は、学べる生放送コミュニケーションサービス『Schoo』を運営している株式会社スクー。Slackを非常にアクティブに活用されていた同社では、ホメルくんを導入した結果「ポジテイブな投稿が増えた」という変化が生まれました。ホメルくんの活用方法とその効果に迫ります。


武井優さん / 株式会社スクー 経営推進ユニット
https://twitter.com/m_take1
日本大学芸術学部卒業後、映像制作会社ROBOTに新卒入社。PMとしてTVCMの制作や映画祭などのイベント運営を経て、経営企画と新卒採用を担当。その後コロプラにて人財開発マネージャーとして主に社員教育を担当。2017年Schooにジョイン。人事全般を担当している。


社内言語で「ホメる」ことができる

— ホメルくんを導入することになったきっかけを教えてください。

社員が、ホメルくんのリリース記事を投稿していたのがきっかけでした。最初は遊び感覚で入れてみることにしたのですが(笑)、だれかの発言に対して、ほかのメンバーがポジティブにアクションできるというところがいいなと思いました。

「ありがとう」などの感謝を伝える際に、Slack上でカスタムで作ったスクーの社内用語をアクションとして使えるのがまたいいところですね。スクー社内では、会社のロゴや、「ステキやん」、「スクー神」などのスタンプなどが使われています。

スクーの「ホメル」アクションとして設定されているスタンプには、感謝を伝える系、エールを送る系、ネタ系がありますね。スクーでは、使われているスタンプの数自体も、他社様と比べて多いのかも知れません。

 

— どんなアクションに、スタンプが押されますか?

営業からの「受注いただきました!」や、エンジニアからの「リリースしました」、ライターからの「ブログ更新しました」などですね。また、投稿内容がエモーショナルな内容だと「がんばっていこうぜ」というスタンプが押されたりします。

またスクーには「10x(テンエックス)」というスタンプがあるのですが、これは10%ずつの積み上げではなく、10倍になるような挑戦をするときや、そんな成果が出たときに使われていて、たとえば「ビューが伸びました!」という投稿に押されたりします。

*受注時にメンバーから集まったスタンプの様子

 

*お菓子のお土産に対してメンバーから集まったスタンプの様子

 

最もスタンプが押された人を表彰して「ホメる」を活性化

— スクーさんは、ホメルくんのユニークな使い方をされているとお聞きしました。

スクーでは、月に1度、ホメルくんの表彰機能を使って、Most Stamped Person(MSP)を朝会で表彰しています。MSPを受賞したメンバーには、名前入りのボールペンをプレゼントしています。10本たまると、なにか他のプレゼントをあげることも予定しています。(笑)

*月初に自動的に発表される勝手アワードとランキング

Schooでは、10個以上のスタンプを設定しているので、毎月このスタンプの中から1つのスタンプを選んで、そこでもっともたくさんスタンプを貰った人を表彰しています。たとえば先月であれば、最も多く「愛」というスタンプをもらったメンバーを表彰するなどして、表彰にバラエティを取り入れたりもしています。

*Most Stamped Personの受賞時の喜びのコメント

このように会社として公式に表彰することで、「会社として推奨していること」という立ち位置がハッキリすることで、よりスタンプが押されやすくなったのではないかなと考えています。

 

— 表彰イベントなどは積極的に行っっているんですね。

そうですね。去年の忘年会では、この”MSP”がきっかけになったイベントも行われました。

「M◯P」という形で、仕事だけの成果ではなく、周囲にポジティブな影響を与えたメンバーを表彰する取り組みを行いました。具体的には、元テニスプレーヤーの松岡修造さんのように元気を与えてくれる人を表彰する「Most Shuzo Person」、サッカープレーヤーの大迫勇也選手のように「半端ねぇ」人を表彰する「Most Osako Person」、最も感謝された人を表彰する「Most Appliciated Person」の3種類がありました。

これはホメルくんが導入されていなかったら思いつきませんでしたね。ホメルくんに、忘年会のネタにもインスパイアをもらいました。(笑)

*表彰イベントのスライドより抜粋

 

スタンプが押されることで投稿に安心感が生まれた

— ホメルくんを導入して、よかったことは?

気軽に、ポジティブなアクションを称賛できるという点がいいですね。社内では副次的な効果として、見逃されがちな投稿にもスタンプを押す行動が促されるようになり、メンバーがちょっとしたことでも投稿するようになったんですよね。

どんな投稿にもスタンプが押されるようになって、投稿する側に「見てくれているんだな」という心理的な安心感が生まれて、投稿が増えたのかなと思います。

それから、ホメルくんを導入したあと、チームチャンネルだけにとじていた投稿も、社員全員が見ることができるgeneralチャンネルに書き込まれるようになりました。generalチャンネルへの投稿が増えたことで、より多くのメンバーが、スタンプを押して感謝を伝えたり、称賛したりする文化が生まれました。

 

どんなチームにホメルくんを薦めたいですか?

普段あまり顔を合わせず、テキストコミュニケーションが多めのチームには向いている気がしますね。スタンプの集計にゲーム性があって、リモートワークをしているチームのコミュニケーションとしては面白いかも。

あと、役職をつけて呼びあうような、昔ながらの日本企業に入れてみても面白いかもしれないなと。「肩書きある上司に、スタンプで返事をするというのが失礼」という文化の会社に入れてみたら、ある意味で衝撃的かもしれませんね(笑)

 

 

取材:野崎耕司
編集・文:田中萌子

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    koji nozaki

    @Engagement編集長 / 株式会社トラックレコード代表取締役(共同経営者)。DeNAでの人事プロジェクト「フルスイング」の責任者、MERYの雑誌事業責任者やブランディング責任者などをつとめ、株式会社トラックレコードを2018年に設立。